議会への提案理由説明

1. はじめに

本日、ここに「安芸高田市こどもの権利条例(案)」を提案し、議員各位のご審議を仰ぐこととなりました。

わが国では、2023年に「こども基本法」が施行され、社会全体でこどもの権利を保障する動きが加速しています。当市においても、次代を担うこどもたちが、一人の人間として尊重され、健やかに成長できる環境を整えることは、当市の最重要課題の一つです。

2. 条例の目的と「丁寧な進め方」

本条例は、こどもの権利条約の趣旨を当市において実現することを目的としています

その核心は、「子どもの思いや願いを大切にする、丁寧な進め方」を市の行政運営の中にルールとして確立することにあります。行政が一方的に「こどものため」と判断して施策を進めるのではなく、当事者であるこどもたちの視点を尊重する「適正な手続」を重視しています。

3. 本条例が定める具体的な手続(第7条・第8条)

本条例案では、特に以下の二つの手続を義務付けています。

第一に、「思いや願い」の反映です。施策の策定、実施、評価のあらゆる段階において、こどもの思いや願いを聴き、それを反映させるための措置を講じることを明記しました

第二に、権利への影響の評価です。新しい施策を始める前に、それがこどもの権利にどのような影響を与えるかを事前に検討し 、実施した後には、実際にどのように権利の実現に寄与したかを検証します

これらは、一つひとつの工程を丁寧に行う分、これまで以上の手間と時間はかかります。しかし、この丁寧なプロセスこそが、行政の独断を防ぎ、市民に納得感のある市政を実現するための確かな土台となると確信しております。

4. 透明性の確保と効率的な予算執行(第9条・附則)

この「丁寧な進め方」は、行政の裁量を透明化し、エビデンスに基づいた政策立案を推進するものです。第8条による検証を繰り返すことで、効果の薄い施策を改善し、真に必要とされる領域へ予算を重点配分することが可能になります 。

また、本条例は施行して終わりではありません。附則において、施行後2年以内に、再びこどもの思いや願いを聴きながら運用を点検し、必要な見直しを行うことを定めています 。常に「より良い進め方」を追求し続ける決意の表れです。

5. 結びに

こどもの権利が尊重されることは、こどもを育て、育ち合うことに魅力のある市の実現に繋がります

安芸高田市の未来を担うこどもたちが、自分の「思いや願い」が大切にされていると実感できるまちをつくるため、本条例案を提案するものです。議員各位におかれましては、何卒ご賛同を賜りますようお願い申し上げます。