こどもの権利条例案の附則第2条の検証試案ー施行後2年見直しのための検証指標(案)

附則第2条の「条例の施行状況の検証にもとづき」に関し、指標を具体化する。

Ⅰ 総論(検証の視点)

本検証は、
「条例が制定されたか」ではなく、
「条例が日常の判断や施策の在り方を変えたか」

を確認することを目的とする。


Ⅱ 検証項目と指標

1 条例の認知・理解に関する指標(第5条関係)

① 職員の理解

  • 新任・既存職員研修において、
    こどもの権利条約・こども基本法・本条例を扱った回数
  • 職員アンケートにおける
    • 「こどもの権利を判断の基準として意識している」と回答した割合

② 市民・関係者の理解

  • 市民向け周知(広報、HP、リーフレット等)の実施状況
  • 学校・福祉・子育て関係機関における説明・共有の有無

2 こどもの思いや願いの反映に関する指標(第7条関係)

① 意見を聴く機会の有無

  • こども施策・こども計画の策定・改定時に、
    • こどもの意見を聴く場が設けられた件数
  • 年齢・発達段階に応じた方法(対話、アンケート、ワーク等)の有無

② 意見が施策に反映されたか

  • こどもの意見を踏まえて修正・追加された施策の有無
  • 「聴いたが反映しなかった」場合の理由が記録されているか

③ 形式化の防止

  • こども参加が「一度きり」「象徴的」になっていないか
  • 継続的な関係(定期的対話、フィードバック)が確保されているか

3 こどもの権利への影響評価に関する指標(第8条関係)

① 事前検討(ex ante)

  • 新規・変更施策について、
    • こどもの権利への影響を検討した記録の有無
  • 検討内容に以下が含まれているか
    • 不利益・排除・差別が生じないか
    • 特定のこどもに過度な負担が生じていないか

② 事後検証(ex post)

  • 実施後に、
    • 「どの権利の実現に寄与したか」を振り返っているか
  • 想定外の不利益が生じた場合の対応・見直しの有無

③ 記録と見直し

  • 検討・検証の結果が文書として残されているか
  • 次の施策や計画に反映されているか

4 こども計画との接続に関する指標(第6条関係)

  • こども計画において、
    • こどもの権利が判断基準として明示されているか
  • 個別分野(教育・福祉・子育て等)の施策が、
    • こども計画の理念と整合しているか

5 包摂性に関する指標(第2条関係)

  • 市外居住・市内通学・施設利用等のこどもが、
    • 施策・相談・参加の対象から排除されていないか
  • 「当市と実質的な生活上の関係」を理由に、
    • 具体的に包摂された事例があるか

Ⅲ こどもの視点による検証(附則第3項関係)

  • こどもに対し、次のような問いを行っているか
    • 「話を聞いてもらえたと感じたか」
    • 「決め方は納得できたか」
    • 「変わったと感じることはあるか」
  • その結果を、
    • 市の評価として整理・公表しているか

Ⅳ 総合評価と見直し判断

  • 上記指標を踏まえ、
    • 条例の規定が十分機能しているか
    • 形骸化している条文はないか
    • 新たに明記すべき事項はないか

必要に応じて条例・規則・運用の見直しを行う。